理科系の作文技術 木下是雄 著
この本は卒論、修論など、多くの理系大学生が直面する作文技術についての指南書である。そして、名著だ。
もちろん、論文執筆などに重宝することは間違いないのだが、もっと広い意味で
`書くことについて’の心構えを養うという面でも勉強になった。
例えば、
『研究論文にせよ、論説にせよ、あるいは随筆の類にせよ、
私は、筆をとる前に数十日、時として数年、時として数日、の間主題を温めるのを常とする。』 や
『〈考えている〉時に念頭に浮かぶもの、こと、項目をなんでも、そのまま無秩序に、私は手帳に書き込む。』
といのは、ブログや発想法などについての記述が参考なる。他にも
『序論について
(a) 読者が本論を読むべきかどうか否かを敏速・的確に判断するための材料を示し
(b) また本論にかかる前に必要な予備知識を読者に提供する
1. 本文の主題となる問題は何か
2. その問題はなぜーどんな動機によってー取り上げたのか
3. その問題がなぜ重要なのか
4. 問題の背景はどんなものなのか
5. どんな手段によってその問題を攻めようとするのか』
という記述には、何を自分は言いたいのかを明確にしなければ、
読む側が苦しむということをしっかり再確認することができた。